自宅・家庭用のNASを購入するのに、どの製品がベストなのか悩みますよね。
損も失敗もしたくない人の参考になればと思い、いろいろな角度から導入・運用について、仕事でもNASの導入を行っているITインフラエンジニアのかかしが解説します。
こんにちは、かかしです。
今回はNASに内蔵するストレージのハードディスクHDDとSSD、どちらを選べばいいのか迷うと思いますので、転送速度の比較について試してみました。
かかしは、現在Synology NAS にSSDを導入しています
SSDを選んでいる理由は2つ
- ハードディスク(HDD)が回転する「音」が気になる。SSDはとても静か
- SSDは転送速度が早い
測定環境
NASはSynology DS220+ を利用
ストレージは3通り
- ハードディスクHDD(NAS専用 2台)
- SSD(NAS専用1台+PC用1台)
- SSD(NAS専用2台)
転送速度の比較結果
基本的には搭載するストレージに対し、シーケンシャルアクセスよりもランダムアクセスが多く発生するので、ランダムアクセス性能を重要視します。
ランダムアクセス
ファイル容量の少ない写真などを多数読み書きするランダムでは、読み取り/書き込みの速度はHDDよりSSDが300%以上の速さです。
やはりSSDは早い。
そして、SSDは同一製品がベストです。
異なるメーカー・型式のSSDのRAID1構成は速度が低下します。
ランダムに読むスピード MB/sec | ランダムに書くスピード MB/sec | |
---|---|---|
ハードディスクHDD(NAS専用2台) ・SEAGATE IronWolf | 32.11 | 29.51 |
SSD(NAS専用1台+PC用1台) ・WD RED ・Crucial MX500 | 89.8 | 87.85 |
SSD(NAS専用 2台) ・WD RED | 115.24 | 93.22 |
シーケンシャルアクセス
大きなファイル容量の読み書き速度はシーケンシャルアクセスの影響が大きいです。
シーケンシャルアクセスはHDD、SSDも大きな差はありません。
ランダムに読むスピード MB/sec | ランダムに書くスピード MB/sec | |
---|---|---|
ハードディスクHDD(NAS専用 2台) ・SEAGATE IronWolf | 116.92 | 115.80 |
SSD(NAS専用1台+PC用1台) ・WD RED ・Crucial MX500 | 118.57 | 117.31 |
SSD(NAS専用 2台) ・WD RED | 118.58 | 117.19 |
比較製品
ハードディスクHDD(NAS専用)2台
Seagate製 IronWolf 2TB 3.5インチ
型式 | ST2000VN004 |
回転数 | 5900 rpm |
キャッシュ | 64MB |
保証期間 | 3年 |
SSD(NAS専用1台+PC用1台)
WesternDigital製 RED SA500 1TB 2.5インチ
型式 | WDS100T1R0A |
SSD用途 | NAS用 |
SSDタイプ | 3D NAND |
シーケンシャル読み取り最大(MB/s) | 560 |
シーケンシャル書き込み最大(MB/s) | 530 |
ランダム読み取り最大(IOPS) | 95,000 |
ランダム書き込み最大(IOPS) | 85,000 |
耐久性(TBW) | 600 |
メーカー保証期間 | 5年 |
Micron製 MX500 1TB 2.5インチ
型式 | CT1000MX500SSD1 |
SSD用途 | PC用 |
SSDタイプ | 3D TLC NAND |
シーケンシャル読み取り最大(MB/s) | 560 |
シーケンシャル書き込み最大(MB/s) | 510 |
ランダム読み取り最大(IOPS) | 95,000 |
ランダム書き込み最大(IOPS) | 90,000 |
耐久性(TBW) | 360 |
メーカー保証期間 | 5年 |
SSD(NAS専用2台)
WesternDigital製 RED SA500 1TB 2.5インチ
型式 | WDS100T1R0A |
SSD用途 | NAS用 |
SSDタイプ | 3D NAND |
シーケンシャル読み取り最大(MB/s) | 560 |
シーケンシャル書き込み最大(MB/s) | 530 |
ランダム読み取り最大(IOPS) | 95,000 |
ランダム書き込み最大(IOPS) | 85,000 |
耐久性(TBW) | 600 |
メーカー保証期間 | 5年 |
CrystalDiskMarkの測定結果
CrystalDiskMarkの見方は、ドスパラさんサイトが参考になります。
CrystalDiskMark(クリスタルディスクマーク)のスコアの見方
ドスパラ CrystalDiskMark(クリスタルディスクマーク)の使い方、各項目、スコアの見方や設定方法についてご紹介
CrystalDiskMarkスコアは、縦軸と横軸から成り立っています。
Read (MB/s)に4項目、Write (MB/s)に4項目、全部で8項目で速度を測れます。
ハードディスクHDD(NAS専用 2台)の測定結果
赤枠はランダムアクセス
SSD(NAS専用1台+PC用1台)の測定結果
赤枠はランダムアクセス
SSD(NAS専用2台)の測定結果
赤枠はランダムアクセス
まとめ
NASの転送速度は
ランダムで、HDDよりSSDが300%以上の速さです。
NASが遅いと感じている方は、ぜひSSDの交換をおすすめします。
Synology NAS なら、HDDからSSDの交換もすごく簡単ですよ。
この記事が、いささかなりともお役に立てれば幸いです。
コメント